春の月 夏の夜
QALI〜日々と写真と時々うた

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夏の夜                 




少しだけ
ぽつりぽつり

空から落ちるあめ








流れていく時間に


湿ったキスをする








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神々が空を渡る日                 



あたらしい空を

神々が渡る




神々の歩いた後は、虹の輪がひろがり

世界は、いのちのベルを鳴らす






神々に続いて



あのこも

あのひとも

あなたも

わたしも




手をつなぎ

歌い

おどり

いのちのベルを鳴らして



あたらしい空を渡る








あなたが世界に嘆くとき

世界はあなたを見つけて


喜び

風に色を塗り

歌いおどり

いのちのベルを鳴らすだろう







今日は

神々が

あたらしい空を渡っている








世界は

あなたを見つけて


喜び

風に色を塗り

歌いおどり

いのちのベルを鳴らすだろう







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宇宙軸管理局 お知らせ編                 

空間テレビが突然喋り始めた。


「みなさん、こんばんは。宇宙軸管理局です。

DNAの複製とS期修復が終了し、空間軸と時間軸のすり合わせも終了しました。
1月1日の蝕よりG2調整段階に入り、2010年にDNA損傷チェックポイントを通過します。
通過にあたってコード”G”と”A"が必要になります。
宇宙律の”G”と”A"にあたり、Aは、水と表現の狭間にあり、Gは、意思を表わしています。
コードの受け取りを至急行ってください。」



私は、手の中にあるコード”G”と”A"を眺めた。

空間ニュースは、コードを求める人で混乱している様子を映した。





私は、空間ニュースへ

「コード”G"と”A”欲しい方に差し上げます。」と投稿した。




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ティータイム                 


ティーポットから立ち上るウバティーの香りに
朝の光が色づいて行く。



カップに注ぎ込むと

カップの底は、金色にキラキラ輝いた。



わたしは、トオの言葉を思い出していた。 



「器は、僕の手を離れたときから僕のものではなくなります。

 そのカップは、もうあなたの作品です。

どうぞ、使い込んでください。

あなたが使い込んで再び新しい作品になっていくのです。」




トオの作ったカップに、

ウバティーを注ぐと底がキラキラと輝くことを見つけたのは

このカップをもらってからだいぶ経ってからだった。


トオが新しい土を求めて旅に出たばかりの頃だった。

彼は、求める土に会うことができただろうか?





そんなことを思いながら

キラキラ光る底を眺めていると

いくつもの小さな気泡が出来ていることに気付いた。



気泡は、ゆっくりウバティーの中を上昇し

小さな粒を弾けさせ

ゆっくりと音を奏で始めた。




今まで聞いたことのないような

ずっと昔に聞いたような

古くて新しいメロディーを聴きながら






わたしは、トオの言葉を思い出して少し笑った。





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無題                 

ほかの

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gift                 
「gift」





すっかり朽ちは色になり残り少なくなったイチョウの葉が

夕日に輝きながらはらりはらりと舞い散る中、

真っ青なコートに身を包んだ彼女は立っていました。







すいぶん長いこと会っていなかった私たちは、

再会を喜びながら

イチョウの木がずっと並ぶ街路樹を歩き

お互いの過ごした時間について

少し興奮しながら話しました。






彼女の旅の話。


私の旅の話。





日が沈み、辺りが暗くなっても話は尽きることなく
私達の声は、木々を彩るイルミネーションの中を行ったり来たりしていました。









街路樹の突き当りには、大きな噴水があり、
時計の針を合図にその色を変えたり、出たり止まったりを繰り返しています。





「ねえ、見て」

と彼女は手のひらを広げました。



彼女の手には、雫のような形の鈴がありました。



「これは、旅の思い出。」



「鈴?」



「うん。出逢った人にもらったの。」




彼女は、何かを思い出しているようでした。




「いい出逢いだったんだ。」




「うん。」




少し間を置いて

「いつも旅の終わりにはそう思うけどね。」




そう言った彼女は、笑ってその鈴を鳴らしました。





鈴の音色に冷たい空気が一瞬震えます。





噴水は、その水を吐き出すのをやめ

揺れる水面に夜空に浮かんだ満月を映していました。








彼女がもう一度その鈴を鳴らすと



ぽちゃん。



何かが噴水の中に落ちた音がしました。








ぽちゃん。






なんだろうと噴水を覗いたわたしの頭の上に
水のようなものが落ちてきたので上を振り向くと



満月から光り輝く雫が次から次へと落ちていました。




「今日は、融月なのね。」


「そういえばそうだったね。」




辺りには、はしゃぐ私たちの笑い声と鈴の音が響き渡り、


噴水は再び、その水を噴出し、色とりどりの演出を始め、


融け行く月は、次々に光り輝く雫になっていきました。











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precious garden                 

ここは、あなたの庭

あなたが育んだ庭


溢れる緑
やわらかい風
揺れる草花
小さな水場
輝く水面
鳥たちのさえずり



通り過ぎた雨は
虹を連れて



あなたの手とわたしの手をつなぐ




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蛙                 
犬が吠える道

通り抜ける
こどもたち

影踏み鬼ごっこ


タイヤ工場
ゴムの焼けるにおい



空と壁の対比

深呼吸






ふと気付くと
手の甲にネコが引っ掻いたような傷



汚れのない裏界線
この街の汚れを探す




無造作に転るバケツの中を覗くと


蛙がいた




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花ことば                 
伝えたい言葉の隙間に
アイリスの香りが満ちて

くっつけたはずの文字は
香りに溶けていった。




香りの溶けた風を小瓶につめて
未来の日付を書いた。




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世界の終わる朝に                  
AM2:40
スタートは神楽坂。



気合の入った囁き声で僕たちのジャンケンは始まった。


「じゃんけんぽん!」


大きく深呼吸して 囁き声で

『ち』
   『よ』
             『こ』
         『れ』

  『い〜』

                 『と!』



ふ〜

「じゃんけんぽん!」



    『ぱ』


『い』

   『な』

                    『つ』
         『ぷ』


『る!』






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